中空スラブ
特徴
①品質の向上
- コンクリート打設時に配管が乱れない。
- コンクリートかぶり厚が正確に保たれる。
- 建物の軽量化。
②コストの削減
- 許容スパン以下無支保工施工可能のため、仮設材の低減。
- ボイドによりコンクリート量の大幅な低減。
- 配筋時のスペーサーが不要。
③工期の短縮
- パネルを敷き並べるだけで型枠工事と鉄筋工事の大半が同時に終了し、設備工事の早期着手が可能。
④環境に優しい
- 木材を使わない。廃材が少ない。
<設計方針>
中空スラブは、施工時、架設時及びコンクリート打設時、完成時のそれぞれの状態で安全性を確認する。 トラス筋を架ける方向は、原則としてスラブの短辺方向とし、施工時には、トラス筋方向だけで荷重を負担させる一方向スラブとして設計する。 完成時におけるスラブの支持タイプは、端部の固定度を考慮した支持条件を想定する。 完成時のスラブは一方向スラブとして設計するが、短辺方向の梁にも安全を見込んで3角形の分布荷重をかけて設計する。 必要な支保工を設置した後、コンクリートの打設を行う。このときの荷重は、トラス筋パネルの自重、作業荷重(1470N/㎡)及びコンクリートの自重を考え、短期荷重として扱う。 スラブ完成時の荷重はスラブの自重に仕上げ荷重、積載荷重等長期にわたってかかると考えられる荷重を組み合わせたものを考慮する。
用途
<適用範囲>
・本資料は、中空スラブの設計及び施工に適用する。
・中空スラブは、鉄骨構造、鉄筋コンクリート構造および鉄骨鉄筋コンクリート構造ならびにプレキャストコンクリート構造の建物の床および屋根に使用する。
・中空スラブは、スラブ厚220mm以上の単純支持、連続支持、固定支持およびはね出しのスラブに適用する。 本スラブでは、径約100mmのボイド管がスーパートラスの間に配置されることからスーパートラスの最小高さがきまり、この高さに上下鉄筋やそのコンクリートかぶり厚(30mm以上)を加えて220mmを最小スラブ厚としている。
・中空スラブの設計・施工に関して本技術資料に示されていない事項については、日本建築センター「建築物の構造関係基準解説書」(2001年版)、日本建築学会「鋼構造設計基準」(1973年)、「鉄筋コンクリート構造計画基準・同解説」(1999年)および「建築工事標準仕様書 JASS5 鉄筋コンクリート工事」(1997年)等の関連基準による。